あれこれ日記

趣味の話や哲学のこと

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

わたせせいぞう『ハートカクテル カラフル』

ハートカクテル カラフル | 書籍 | 小学館 わたせさんといえば、80年代を象徴するようなイラストレーター。85年生まれの私はさすがに世代ではないのですが、子どものころ確か父がポスターを家に飾っていたような。 恥ずかしながら私はわたせさんが漫画も描い…

柚木麻子『あいにくあんたのためじゃない』(新潮社)

柚木麻子『あいにくあんたのためじゃない』特設サイト | 新潮社 すごく面白かったです! シスヘテロ男性中心のこの社会で「それ以外の存在」として見られる者たちが、結託したり、すれ違ったり、助け合ったり、そんな短編集。最後に「男らしさ」から降りてい…

Backlash to transgender health care isn’t new − but faulty science used to justify it has changed over time

G. Samantha Rosenthalによる2024/2/4のThe Adovocateの記事。 The history of backlashes against transgender health care 著者のかたを存じていなかったのですが、トランスジェンダーの歴史の専門家らしいです。その専門家の視点から、トランスジェンダー…

このマンガもすごい: 南Q太『ボールアンドチェイン』

中央公論2024年6月号掲載。 今回は南Q太さんの『ボールアンドチェイン』を紹介しています。まだ自分が何者なのかはっきりとはわからないまま、けれど周りにあてがわれるジェンダー、セクシュアリティ、性役割などに言葉にならない違和感を抱いているらしきふ…

Florence Ashley (2023) "What Is It like to Have a Gender Identity?"

Mind, 132 (528): 1053-1073 https://www.florenceashley.com/uploads/1/2/4/4/124439164/ashley_what_is_it_like_to_have_a_gender_identity.pdf ジェンダーアイデンティティを持つとはいったいどういうことなのかというテーマの論文。著者のフローレンス・…

7 days to end with you

7 Days to End with You | Game | PLAYISM公式サイト ちょっと変わったインディゲーム。前から気になっていたのですが、つい先日ちょうど勧められる機会があったのでプレイしてみました。 物語は主人公が目覚めるところから始まります。すぐそばにタイトル画…

水上文「狭間の沈黙」

『すばる』2024年6月号収録のエッセイ。 著者のクィアネスを受け止めきれなかった母親との関係が、緊張をはらみながらも少しずつ、少しずつ変化していく様子、相手が亡くなってもお葬式にいまのままでは出ることができるかもわからないクィアな恋人関係と同…

Thirsty Suitors

Outerloop Games Xboxゲームパスでプレイ。わりといろんなプラットフォームで遊べるようです。 クィアゲームのおすすめみたいな記事を見るとあちこちで2023年の優れたクィアゲームとして名前を挙げられていた本作。実際にプレイしてみるとなかなか風変わりで…

「理想的な言語、不完全な言語」(「言葉の展望台」第34回)

『群像』2024年6月号 ベセスダのゲームが好きです。Skyrimにはまり、Fallout4にはまり、遡ってOblivionをプレイし、Starfieldで遊び、いまはFalloutのドラマを見ながらThe Elder Scrolls Onlineでタムリエルを冒険しています(どこかにトランスキャラがいる…

『じぶんであるっていいかんじ きみとジェンダーについての本』

作 テレサ・ソーン/絵 ノア・グリニ/訳 高井ゆと里 (エトセトラブックス、2024年) じぶんである って いいかんじ:きみとジェンダーについての本 | book | エトセトラブックス / フェミニズムにかかわる様々な本を届ける出版社 すごいすごいすごい! こ…

論文「コミュニケーションにおける不正義」

『中部哲学会年報』55, 1-11頁 名古屋大学学術機関リポジトリ 2022年に中部哲学会のシンポジウムに招かれ話した内容をもとにした論文です。書いたのが一年くらい前なので、ややいまと考えが変わっているところがあるかもですが……。 2019年の『話し手の意味の…

岡田索雲「ある人」、『ようきなやつら』

ある人 / ある人 - 岡田索雲 | webアクション かなり話題になっていた漫画「ある人」。どこでかというと、トランスコミュニティで。 つげ義春の「ねじ式」を下敷きにしながら、トランスジェンダーの人々がいま現在向けられている視線やぶつけられている言葉…

Kamili Posey (2021) Centering Epistemic Injustice, Lexington Books

こちらも先の投稿と同じように少し前に。 本書は認識的不正義の議論であまり顧みられてこなかったマイノリティ側の実践の話へと焦点を当てているのが特徴的です。認識的不正義の議論はややもすると本当に認識実践の話だけ切り離したものになりがち(に、あま…

José Medina (2012) The Epistemology of Resistance, OUP

認識的不正義についてまとまって勉強する必要があり、少し前に読んだ本。 Fricker (2007)では証言的不正義(testimonial injustice)と解釈的不正義(hermeneutical injustice)がある程度別個に語られているかと思いますが、メディナさんは証言的不正義の根…

Beer Bravo

【公式】ビア・ブラボー!~Craft Beer Carnival~ 2024 Spring 京橋でやっているクラフトビールイベントに行ってきました。あちこちの地域の醸造所がいっぱい来ていて楽しかったです! 私も大好きな『琥珀の夢で酔いましょう』のコラボビール「白熊の夢」が…