あれこれ日記

趣味の話とか

哲学

Kamili Posey (2021) Centering Epistemic Injustice, Lexington Books

こちらも先の投稿と同じように少し前に。 本書は認識的不正義の議論であまり顧みられてこなかったマイノリティ側の実践の話へと焦点を当てているのが特徴的です。認識的不正義の議論はややもすると本当に認識実践の話だけ切り離したものになりがち(に、あま…

José Medina (2012) The Epistemology of Resistance, OUP

認識的不正義についてまとまって勉強する必要があり、少し前に読んだ本。 Fricker (2007)では証言的不正義(testimonial injustice)と解釈的不正義(hermeneutical injustice)がある程度別個に語られているかと思いますが、メディナさんは証言的不正義の根…

Katharine Jenkins (2023) Ontology and Oppression

https://global.oup.com/academic/product/ontology-and-oppression-9780197666777 ジェンダーアイデンティティ論文などで知られるキャサリン・ジェンキンスさんの、たぶん初の単著。ジェンキンスさんは2016年の"Amelioration and Inclusion"が『分析フェミ…

朱喜哲『〈公正〉をのりこなす』(太郎次郎社エディタス)

プラグマティストとしての朱さんの姿勢が全面に出ている本でした。よくあるプラグマティズムの本は、プラグマティストの思想を解説するものかと思いますが、これは朱さん自身がプラグマティズムを実践している本という印象です。 本の内容としては、ロールズ…