中央公論2024年6月号掲載。
今回は南Q太さんの『ボールアンドチェイン』を紹介しています。まだ自分が何者なのかはっきりとはわからないまま、けれど周りにあてがわれるジェンダー、セクシュアリティ、性役割などに言葉にならない違和感を抱いているらしきふたりの人間を主人公とした作品で、毎話楽しみに読んでいます。私の視点からのおすすめポイントについては、ぜひ中央公論をご覧ください。
『ボールアンドチェイン』は以下で連載中です。
南Q太さんというと、私が読むようになったのはいまから約20年前、大学時代のことでした。当時交際していたひとが『地下鉄の風に吹かれて』などを持っていて、それを読んで私も一気に引き込まれ、南さんの漫画を集めるみたいに次々と買ったのでした。どれもすごく魅力的なのだけれど、私がよくおすすめするのは『スロウ』です。この作品の主人公も、どこかしら規範的なジェンダー/セクシュアリティにうまく適合していない雰囲気で、いいんですよね。
あとなんといっても「エプロンとサングラス」! 『かみさまお願い』に収録されていたかと思いますが、「ニューハーフ」のユカさんと可愛い系の料理好き男の子まもるの恋が始まるっぽい話なのですが、とにかくユカさんが可愛いんですよ。もう、1ページ目から最高にいい。
自分がトランジションするまでにトランス的なキャラはたくさん読んだり見たりしていたものの、たいていはどこか傷も残すような描写(気持ち悪がられる、殴られる、笑い物にされる、など)のキャラで、でもそんななかユカさんはただただ魅力的なんです。そんなこともあり、私にとって大切な作品。
こんなふうにむかしから読んでいる漫画家さんだったので、今回ご紹介できて、なんだか嬉しいです。