やっとクリアしました! いやー、もとのものと比べてかなりのボリュームでした。エピソード自体が大幅に増加しているうえに、主人公たちの会話シーンも豊富で、「そうか、ドラクエ2ってこんなキャラクターたちがこんなふうに旅をする物語だったのか」といまになって発見させられました。
ドラクエ2というと、従来はローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女の三人のRPGでした。今回はなんとサマルトリア王女(王子の妹)も加わっての四人旅です。と言っても、仲間になるのはひとりだけかなりあとですけどね。でもそこから先も長いので最終的には「四人でずっと旅をしてきた」という印象になります。
ドラクエ1は戦闘の斬新さというのでびっくりしたのですが、こちらはキャラクターの魅力がよかったです。戦闘も面白いのですが、すべて自分でやらないといけない1主人公と違って、ある程度は役割分担ができるので、2はわりと従来のプレイ感覚に近いです。それでも途中から防御にMP回復という積極的な意味が生じるとか、なかなか面白かったです。それほどピンチではなくても防御を選択するという場面がけっこうありました。
ほかのドラクエではあまりないと思うのですが、本作は四人全員に名前をつけられます。私はローレシア王子を「なゆた」=自分の名前にして、サマルトリア王子は「ピーター」、ムーンブルク王女は「カマラ」、サマルトリア王女は「シーラ」にしていました。ピンとくるひともいるでしょうか。ピーター・パーカー(スパイダーマン)と、カマラ・カーン(ミズ・マーベル)と、シーラ・セクストン(エスカペイド)ですね。みんなマーベルのヒーローです。
ムーンブルク王家は、特にそんな設定はないけど私の脳内ではアジア系のひとたちです(3世界に日本めいたところがあるし、アジア系のひとが2にいてもおかしくないですよね?)。エスカペイドがトランスガールなので、シーラはトランスガールという設定です。たぶんジェンダー観が実は先進的な両親といろんなことを気にしないのんびりやの兄のもとで、幼いときから自然と自分にしっくりくる生き方をしてきたのでしょう。実際のびのびとした元気なキャラだし。
で、パーティ内会話システムはないものの、思いのほかあちこちで会話シーンがあって、私とピーターでやけに仲良さそうに話していたり、カマラが落ち込んでいるから様子を見に行ったり、シーラが楽しそうにうろうろしてたり、とにかく楽しい! オクトパストラベラーで酒場での会話を好んだり、バルダーズゲート3 でやたらと野営地に行きたがったりという、仲間間の会話が大好きな私にはぴったりのリメイク要素でした。
欲を言うとパーティ内会話システムもほしかったです。それも、街のひとに話しかけるたびに切り替わるくらいのボリュームで。
前にやったドラゴンエイジなんかは放っておくと仲間同士で延々とおしゃべりをしていて、戦闘で中断しても「なんの話してたっけ? あ、〇〇なんだけどさ」みたいに話を再開したらして、それが楽しくて、ドラクエも移動中にずっと仲間がしゃべっていてほしいですね。好きな食べ物の話とかどうでもいい内容でいいから。
各キャラクターの人物像が掘り下げられた結果、全体としてムーンブルク王女がどこか主人公感のある雰囲気になっていたのも面白かったです。故郷を失い報復を誓う悲劇の王女から、罪のない魔物との出会い、葛藤を経て、報復ではなく暴力のない未来を求める勇者になっていく。その過程が丁寧でよかったです。
ムーンブルク王女が作中でほかより物知りっぽくって、なんとなくお供を三人連れたドラクエ版西遊記みたいな印象もありました。ムーンブルク三蔵法師。
だんだんと仲良くなっていく様子も微笑ましくて、もとはハーゴンを倒すための旅だったのが、最後のほうはハーゴンを倒したあとも一緒にいたいという話が出てくるようになったりして、プレイしている私も「かけがえのない親友たちとのかけがえのない旅路だ」と思いながら操作していました。

敵も描写が増えていて、「悪霊の神々っていうわりにシドーくらいしか神いなくない?」と思っていたのですが、「あなたたちが神々だったの!? そんなすごい存在なの!?」と驚かされました。ざっとプレイしただけで背景とかを調べたことはないので、もとからそういう設定だったのかもしれませんが。
難易度的にはほどよかったと思います。1と違って苦戦するところはほぼないけど、レベル上げを特にしないで行く分には、ボス戦でも何も考えずに連打していればいいということはまずなく、ちゃんと頭を使いつつ戦闘を進める必要がある、というくらい。「2と言えばこれ」のロンダルキアの洞窟は大幅に簡単になっていて、ストレスなくクリアできると思います。
ほどよかったのですが、ひとりだけめちゃくちゃ強く感じたのが、「オクトネイビー」とかいうタコ人間! あのボスはなんであんなに強いのか。ハーゴン戦の前に行けるところはひと通り行こうとうろうろしていてたまたま通りかかった幽霊船で出会ったのですが、本当に異様に強い。マホカンタで呪文反射を得つつ、1主人公で猛威を振るった「うけながし」をなんと敵なのに多用し、そのタイミングでローレシア王子あたりが強火力攻撃なんてしようものなら、反撃で一気にパーティが壊滅しそうになる。
何度かゲームオーバーになりながら、「どうもマホカンタのあとはうけながし率が高そう」とか推測して、うけながしが来そうなときにはバフと回復に専念、うけながしが連続では来ないから、一度発動したら一気に攻撃、みたいなやりかたでようやく勝てました。
そのあとでハーゴン、シドーを倒して、隠しボスたちも倒したのですが、レベル成長もあるから一概には言えないけど、私はオクトネイビーがいちばん強かったと思う。こいつこそ悪霊の神では(タコだからクトゥルフっぽいし)、というくらい。
隠しボスまでクリアすると、本作が11、3HD2D、1HD2Dから続くロトの物語の最終章なのだというのが強く打ち出されていて、感慨深いものがありました。特に3で長い旅に出て、その後帰ることができなかったという3勇者の旅の本当の終わりとして、素晴らしいラストだったと思います。
ストーリー上の裏ラスボスとは別に裏ボスとしてしんりゅうがいるのですが、しんりゅうは出オチな感じでした。レベル上げとかまったくしない派なので、特にこちらを鍛えすぎてたということはないと思うのですが。もうちょっとオクトネイビー師匠に訓練をつけてもらったほうがいいと思う。
初戦でこんな感じ。

で、二戦目。

もはやターン指定が障壁になる気がまったくしません。頑張れ、しんりゅう。うけながしとか習得するといいと思います。一対多の戦いで、物理系の敵が混じってるなら必須だと、1主人公が教えてくれたので。
そんなわけで、存分に楽しませてもらいました。ちいさなメダルはさすがに情報を調べたりしないと全部は見つけられなかったのですが、もうやれることはせいぜいしんりゅうの周回撃破くらいではないかなというところまで遊び尽くしました。
今度7のリメイクが出るらしく、ドラクエキャラでいちばんマリベルが好きというくらいのマリベルファンの私はいまから楽しみにしていますが、4-6もリメイクしてほしいですね。特に6! バーバラにまた会いたいです。
ドラクエ2のあとはClair Obscur: Expedition 33というのを買ってみたのですが、こちらはまだあんまりどんなゲームなのかわかっていません。ターン制バトルで、相手の攻撃タイミングに合わせての回避やパリィが重要っぽい? ドラクエ1もターン制で回避やパリィが重要でしたが、パリィ系ターンバトルの波が来ているのでしょうか。
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