あれこれ日記

趣味の話とか

無敵の二人(『マリーのアトリエ リメイク』)

(*8/9に画像に文章説明を付け足しました。)

私が思い出のゲームとしてしばしば挙げるのが、『クロノ・トリガー』、『幻想水滸伝』(特に2)、『マール王国の人形姫』、そして『マリーのアトリエ』と『エリーのアトリエ』。その『マリーのアトリエ』がリメイクされ、さっそくプレイしてみました。

マリーのアトリエ』は、世界を救うタイプの壮大なファンタジー作品に対するオルタナティブとして、当時は「世界を救うのはもうやめた」というキャッチフレーズとともに売り出されたロールプレイングゲームです。そのキャッチフレーズ通り、いちおうそれなりに驚異的なモンスターなどは出るものの、むしろのんびりとファンタジー世界の街で暮らし、人々と交流するのがメインのゲームでした。

主人公のマリー(マルローネ)は、錬金術アカデミーの落ちこぼれ。あまりに成績が悪く、担任のイングリド先生から特別な課題を出されることになります。それが「五年間アトリエを経営して錬金術の勉強をすること」。そんなわけで、プレイヤーは五年間の期限付きで、アトリエのなかでアイテムを作成したり、それを売りに行ったり、酒場でアイテム作りの依頼を引き受けたりしながら、錬金術の勉強をしていくことになります。

そう、このゲームの基本は素材集めと素材を調合してのアイテム作り。アトリエの真ん中に鎮座した巨大な釜に素材を放り込んで、生きている縄を作ったり、難病を治癒する薬を作ったりがメインになります。素材探しには街を出ていろいろなスポットに行かないとならないけど、最初のマリーはただ錬金術の勉強をしただけのひ弱な女の子なので、友達や傭兵に一緒についてきてもらって、どうにかこうにかモンスターや盗賊を追い払いながら水を汲んだり草をむしったりします。

そうして集めた素材をときには何日もかけて大釜で混ぜ合わせ、アイテムを作っていくのですが、少しずつ作れるものが増えるとともに、だんだんと街のひとたちから「困ったときに助けてくれる錬金術師」として認められていくことになります。

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(マリーが材料を混ぜている様子)

リメイク版では、イラストが現代的に一新され(前のも可愛かったですけどね!)、仲間たちとの交流イベントが増えているみたいです。また、以前は移動はすべてリストから選択する形式で、マップ上を彷徨きまわるというのは建物内だけだったかと思いますが、リメイクで街のなかや採集地を歩いて回ることができるようになりました。最低限の広さなので、あまり探索を楽しむ感じではないですけどね。ただ、探索してほしいアイテムを採集できるので、以前の「何が採集できるかはランダム」というのに比べるとプレイがスムーズになってますね。

で、さっそく当時を懐かしみながらクリアしました。最近の大作ゲームと違い、10時間前後もあればクリアできるボリュームです。当時としても長いほうではなく、むしろ短めのプレイを繰り返しおこない、いろいろなイベントやエンディングを見る、というタイプのゲームですね。

【ここから思い切りネタバレ】

本作で私のお気に入りキャラは、マリーの親友のシア。生まれつき病弱で、薬を求めてしばしばアカデミーにやってくる女の子です。体が弱いのに、マリーを助けるためにはたきを片手にモンスターと戦い、採集を手伝ってくれます。

で、このシアと一緒に冒険していると、一緒に蚤の市を見たり、シアが勇気を出して市場でお菓子を売るのを手伝ったりと、いろいろなイベントが起こり、どんどんふたりの友情が強固になっていくのを見ることができるんですね。そして、クライマックスに訪れるのが、シアが病気で倒れるというイベント。

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(ベッドに横たわるシアをマリーが心配そうに見つめている)

この辺りの展開はベタ中のベタながら熱くて、落ちこぼれだったマリーが親友のシアのために、アカデミーでも一流のひとしか作れない高額の薬エリクシル剤を自分自身の力で作るという話になります。シアのうちはだいぶんお金持ちそうなのにそれでも手が届かない薬ということなので、よほど作るのが難しいのでしょうね。実際、マリーが作れるアイテムのなかでは比較的素材集めが大変な部類になります。(もっとも、効率よくプレイをしているとこのイベントが起きるころには簡単に作れるようになってしまっていて、やや肩透かしになるのですが……)

そして見事エリクシル剤を作り上げると、シアは回復し、また一緒に冒険をできるようになります。よかったね、シア!

マリーのアトリエ』はマルチエンドを採用しているゲームなのですが、親友シアとずっと一緒に冒険し、二人でめちゃくちゃ成長したら、なんと二人揃って伝説のひとになるエンディングにたどり着きます。これが、私はすごく好きなんですよ。あの病弱だったシアが「もう私たちのことをか弱いなんて思うひとは誰もいない」と言い、ふたりで冒険しよう、そのための景気づけに武闘大会でさくっと優勝しようみたいなことを言い出す。

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(マリーにシアが「ねえ、一緒にどこかへ旅に行かない? 二人で」と話しかける場面)

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(マリーがシアに「何だかなぁ。……分かった、それじゃそうしましょ。あたしたち、無敵のコンビだね」と言う場面)

マリーの「無敵のコンビだね」もいいのですよね。実際、私のデータではこのふたりは風の精霊を倒し、ドラゴンを倒し、何だかよくわからないすごい悪魔を倒し、隠しボスのもっとすごい悪魔を倒していて、はっきり言ってザールブルグに並び立つものはないのではないかという強さになっていたりします。シアは最後まではたきを振り回して頑張りますが、最終的にははたきアタックも大変強くなり、剣士より強いはたき使いになります。

そんなふうにして、ふたりはこれまで最強だった王国騎士団長エンデルクさんを一蹴して大会で優勝し、外の世界に旅立つのでした。

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(杖を持ったマリーとはたきを持ったシアがエンデルクを足蹴にしている)

プレイした感想としては、とにかくいまのプレイ感覚とシステムで、あの懐かしい私の好きだった世界をきちんと生きることができる、というのがよかったです。新しくやるひとにとってはボリューム的に満足がいかないかもですが、「私が好きだった『マリーのアトリエ』がちゃんともう一度できるのだろうか?」という心配は杞憂でした。

ただ、もちろんいま見ると気になる点もあります。当時は気にならなかったけど、ヨーロッパ的世界観で、でも人種の多様性がほぼなくキャラクターの九割が白人なのはどうなのかとか、この辺りは主要人物は変えにくいにしても、街の住人を少し工夫するなどでもう少しどうにかならなかったのかなと思ったりしました。

ところで、この続編の『エリーのアトリエ』ではシアの結婚式があったりして、当時はそれも「へー」と見ていましたが、いま見ると「いや、マリーと結婚しよう?」と思いますね。マリーとシアでずっと一緒に飛び回ってほしいです。

 

私が慣れているのもあってか難易度は非常に低く、途中で妖精さんを雇って調合や採集を任せられるようになるとほぼ放ったらかしでお金が稼げるようになるし、日数を使ってアイテムを作るのも高度なものだけになってくるし、五年という制限はほとんど制限にならないくらいで、特に攻略情報とかを見ずむかしの記憶を頼りにプレイしただけでも、一年半の余裕を残して作れるアイテムをすべて作り、ボスをすべて撃破し、マリーは最大レベルで、知識も名声も最高値というところに到達しました。そうなると酒場で依頼を受ける必要もなくなってくるから、ちょっと寂しいですね。でも逆にいうと、慣れていないひとでもわりと余裕をもって遊べるということかと思います。

あとサブクエスト的なものが用意されていたり、どんな依頼があって何が必要なのかがわかりやすかったり、リメイク前より非常に丁寧になっているので、リメイク前だと攻略を見ながら発生させていたイベントでもスムーズに進められたりして、その点でも遊びやすくなっていたように思います。

あちこちで勧めてきたゲームなので、ぜひいろんなひとに遊んでみてほしいです。

 

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(マリーとシアが三段に重なったぷにぷにを見ている)

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(マリー、シア、クライスが煉獄の扉を叩きし魔人に対峙する)

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(マリーとクライスの喧嘩に割って入るシア)

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(アイテムの出来上がりを待つマリーと見守る妖精さんたち)

↑以前はなかった撮影モードが加わりました。

 

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(アイテム画面の賢者の石)

↑頑張れば賢者の石も作れます。マリー、すごい!

 

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(樽に向かってマリーが「た〜る」と言っている)

↑シリーズお馴染みの、「た〜る」も健在でした。樽を調べると発生します。

 

ガイドラインに則ってスクリーンショットを使ってます)